To know him is to love him(The Teddy Bears - to不定詞の名詞的用法)
" To know him is to love him"はThe Teddy Bearsの1958年のヒット曲で、このグループのリーダーで曲を書いたのは後にスーパープロデューサーとなるフィル・スペクターである。彼が高校卒業後にリリースしたのがこれなのだがロスアンジェルスのスペクターの動きが後々のウェストコーストロックに多大な影響を与えたのは明白である。ちなみにこの頃同世代のThe Beatlsの面々はリバプールで不良として活躍していた(彼らがハンブルグに行くのは60年代に入ってから)。曲調はまだまだ古き良き50'sロックンロールであるがその後のロックの展開を考えると興味深い。
"To know him is to love him"ってなんじゃらほいと思うがA is B.という誰にでも分かる文章である。一番おなじみなのが"This is a pen."であろう。しかしよくよく考えてみると「これはペンです」なんて言わないよな。
This is a pen. これは ペンです。
To know him is to love him. 彼を知ることは 彼を愛することです。
ようするにto不定詞ってのは「〜すること」であり動詞を名詞っぽく使うときに繰り出す技なのであった。
To know is to love. = 知ることは愛すること → 哲学か!
To know him is to love him. = 彼を知ることは彼を愛すること → ポップだ!
かようにto不定詞も元々は動詞なので後ろに目的語とかを付けることもできるようだ。
結論:to不定詞は名詞として使える。会得!
The Teddy Bears - To Know Him Is To Love Him 1958
ちなみにこの曲はナンシー・シナトラやリンダ・ロンシュタット、エミルー・ハリスそしてドリー・パートンによるThe Trio、ピーターとゴードンなどにカヴァーされ毎回ヒットするという強力な楽曲パワーを持っているのだ。ジョン・レノンも"To know her is to love her"にしてカヴァーしておるぞ。
The Trio : Emmylou Harris, Dolly Parton, Linda Ronstadt : To know Him Is To Love Him